◯脳保護療法

 脳梗塞で壊死した細胞から発生する過剰な活性酸素は周囲の脳細胞を酸化させてダメージを与えます。エダラボンは活性酸素の働きを抑えます。

■外科治療 血栓除去や血管拡張治療などタイプによって異なる治療法

 壊死した細胞周辺の、ダメージを受けていない細胞を救うための外科治療があります。

 心原性脳塞栓症では詰まった血栓を取り除く血栓除去療法をおこないます。

 太ももの付け根にある大腿(だいたい)動脈からカテーテルを挿入し、脳梗塞を起こした血管に到達させます。カテーテルの先端からステントを伸ばして血栓をからめとる血栓回収法と、ペナンブラというポンプで血栓を吸引する血栓吸引法があります。

 アテローム血栓性脳梗塞が頸動脈で起こった場合は、カテーテルを血栓の詰まった血管まで進め、バルーンカテーテルで狭くなった血管を拡張する経皮的血管形成術(PTA)、血管拡張後にステント(金属製の目の細かい網状の筒)を留置する頸動脈ステント留置術(CAS)などの脳血管内治療があります。

 そのほか、手術で血管を開いて血栓を直接取り除く頸動脈内膜剥離術もあります。

(取材・文/須藤智香)