珍名踏切マニアがいく! 映画館なのにレコード? レコード館踏切の謎 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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珍名踏切マニアがいく! 映画館なのにレコード? レコード館踏切の謎

連載「珍名踏切が好き!」

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今尾恵介dot.#鉄道
三島田町駅。三嶋大社の最寄り駅

三島田町駅。三嶋大社の最寄り駅

製氷前踏切

製氷前踏切

レコード館踏切

レコード館踏切

今回紹介した踏切周辺の地図

今回紹介した踏切周辺の地図

 踏切の名称に惹かれて何十年の、いわば「踏切名称マニア」である今尾恵介さんが、全国の珍名踏切を案内してくれる連載。今回は「製氷前踏切」と「レコード館踏切」を紹介します。

【写真特集はこちら】今尾恵介が紹介する珍名踏切<製氷前踏切とレコード館踏切編>

*  *  *
 伊豆箱根鉄道駿豆(すんず)線は東海道本線の三島駅が起点であるが、三島の旧市街に三島広小路、三島田町、三島二日町という三島つきの3駅が並んでいる。その中の広小路と田町の間にあるのが、製氷前踏切とレコード館踏切だ。ネットの地図を最大縮尺にしても該当する建物が見当たらない。これはかつて建物の名を付けながらも、後にそれが失われて「記念碑踏切」となっている可能性が高いと判断した。楽しみが減るのであまり見ないのだが、グーグルのストリートビューも片目でこっそり見た。なるほどそれらしい建物はない。

 三島から電車で5分、2駅目の三島田町の駅舎に掲げられた看板に「三嶋大社前」の文字がある通り、その最寄り駅である。伊豆国一宮にあたる由緒あるこの神社はキンモクセイの大木で知られており、江戸期には数里先までその花の香りが漂っていたそうだ。

 線路に沿って坂道を下り、御殿川を「通学橋」で渡る。市街地の中を流れる小河川とは信じられないほどの透明度で、富士山の伏流水が多数湧出(ゆうしゅつ)するこの地ならではの澄み方だ。川底では梅花藻が流れに身を委ねて揺れている。すぐ脇は駿豆線の小鉄橋。鋼鉄の橋桁の上に枕木とレールを載せた昔ながらのプレートガーダー橋である。

 ほどなく三島駅の方から南下してくる街道の踏切だが、これが製氷前踏切。前後左右を見渡しても製氷に関する建物はやはり見当たらない。踏切の南西側にある不動産屋さんを尋ねてみた。

 40代と覚しき女性が対応してくれたが、やはり昔はたしかに製氷会社があったという。裏手の駐車場のところだそうだ。わりと広いスペースだから踏切名に相応しかったのだろう。どのくらい前までありましたかと聞けば、奥にいたお母さんらしき女性が「30年くらい前かしら」と答える。娘さんが「いや、もっとずっと前でしょ」と訂正するが、思えば平成もすでに30年近く経った。


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