4月19日のDeNAvs広島(マツダスタジアム)で、広島・緒方孝市監督が選手・コーチ時代も含めてプロ野球人生31年目で初めて退場処分を受けた。

 問題の場面は、3点を追う広島の7回の攻撃。2死一、二塁で、小窪哲也が遊ゴロを放ち、一塁にヘッドスライディング。スロービデオで確認すると、小窪の手が一塁ベースをタッチしたとき、送球はまだロペスのグラブに届いていないように見えた。

 だが、山路哲生一塁塁審の判定は「アウト!」。小窪は「エーッ、マジ?」と言わんばかりに仰向けにひっくり返った。直後、緒方監督が叫びながらベンチを飛び出してきた。まさに「口角泡を飛ばす」という言葉がピッタリの興奮状態だった。

 これには伏線があった。6回1死、田中広輔の三遊間への当たりをショート・倉本寿彦が一塁にワンバウンド送球。田中の足が一瞬早くベースに着いたように見えたにもかかわらず、アウトと判定され、抗議したばかりだった。その余韻も覚めやらぬうちに、またしても不利な判定をされたのだから、「どう見てもセーフ!」と怒るのも無理はない。

 顔面を近づけながら、制限時間が経過しても抗議を続ける緒方監督に対し、ついに山路塁審は「抗議を超える暴言があった」として退場を宣告した。試合後、緒方監督は報道陣にノーコメントを貫いたが、内心は悔しさで一杯だったことだろう。

 ちなみに、山路審判は2015年5月2日のDeNAvs中日(ナゴヤドーム)でも、本塁上のクロスプレーをめぐって抗議した谷繁元信兼任監督(当時)を「私に触れたので」という理由で退場処分にしている。谷繁監督にとっては、プロ27年目、出場3001試合目にして初めての退場だった。退場とはずっと無縁だった2人が、同じ審判から相次いで退場処分を受けるのも、不思議な因縁と言わざるを得ない。

 就任1年目の2015年に前年の最下位からリーグ優勝というマジックを実現したヤクルト・真中満監督だが、2017年は主力に故障者が続出し、6月1日以降、最下位に沈んだまま。シーズン終盤に入っても、負の連鎖が止まらず、9月28日の広島戦(マツダスタジアム)で、国鉄時代の1950年と並ぶ球団ワーストタイのシーズン94敗目となった。

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