全世界に12億人いるといわれるローマ・カトリック教徒の指導者、フランシスコ法王。人とのつながりを大切にする法王は、「信徒らとの接触を妨げる」と防弾ガラスが施された専用車を好まず、世界中の人々、とくに若い世代と対話するためにTwitterを利用している。そんな“開かれた法王”が日本の学生たちと直接対話する催しが、12月18日に上智大学で行われた。

 直接対話、といっても法王が来日したのではなく、バチカンと上智大学の東京・四谷キャンパスが映像回線で結ばれた。同大はカトリック教会の男子修道会・イエズス会を設立母体としており、フランシスコが史上初のイエズス会出身の法王であることなどからこの対話が実現した。「ローマ法王が特定の大学と個別に対話の場を設けることは極めてまれで、日本では初の試み」(同大)という。

 会場には大学生や高校生約700人が集まった。法王の素顔に迫る映像の上映後、バチカンと映像がつながると学生たちは立ち上がって歓声を上げ、法王もにこやかに手を振って応えていた。スペイン語と日本語の同時通訳を介して、学生たちの質問に答えた。

 法王は、就任前に1週間ほど日本に滞在したことがあるという。日本の印象を問われると「偉大な国であり、尊敬している」と答え、「日本人は高い理想と能力を持ち、勤勉な国民。また、多くの受難に耐えた国民でもある」と語った。

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