その後も土日の本拠地ゲームは、一度も連敗のないまま首位の座をガッチリキープ。最終的に20勝5敗と大きく勝ち越した。そして、日本シリーズ進出をかけたCSファイナルステージも、本拠地開催のうえに、第4、5戦(10月21、22日)は土日。広島にとっては、願ってもない好条件に思われた。

 ところが、ここで思わぬ“天敵”が現れた。台風21号である。アドバンテージ1の広島は10月18日の第1戦を制した後、第2戦、3戦と連敗。実質2勝2敗のタイになった。

 ここはぜひとも“土日の利”を生かして、連勝したいところだったが、よりによって、この両日に予定されていた試合が台風で中止になってしまったのだ。

 この結果、ファーストステージから連戦だったDeNAは“恵みの雨”で2日間休養が取れたのに対し、広島は薮田和樹を中4日で先発させる苦しいローテーションなどが災いして、23、24日に延期された第4戦、5戦で連敗。ペナントレースで14.5ゲーム差をつけた3位・DeNAにセリーグ史上最大ゲーム差の下克上を許す羽目になった。

「マツダスタジアムがドームだったら」。そんなカープファンの嘆きも聞こえてきそうだ。

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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