偽ニュース(3)


イギリス/EU離脱の国民投票(2016年6月)
「イギリスがEUに払う拠出金は毎週約480億円」
 昨年、イギリスがEU(ヨーロッパ連合)を離脱することを国民投票で決めたが、離脱派の主張に含まれるウソが投票を左右した。離脱派は「イギリスはEUに週約3億5千万ポンド(約480億円)の拠出金を出している」として離脱のメリットを訴えたが、実は半分以下の額だったことを、国民投票後に認めた。ツイッターには「ウソを信じてしまった」という後悔や怒りのつぶやきがあふれた。

偽ニュース(4)
日本/(2014~17年2月ごろ)
「大量の塩水で腸を“洗浄”してダイエット」
 3年ぐらい前から「大量の塩水を一気に飲んで腸をきれいにするダイエット法」が、若い女性を中心に話題になっていた。海外のセレブのダイエット法の一部が誤って広まったようだ。17年2月にNHKのニュースサイトが偽情報として取り上げ、「内臓出血などで命に関わる危険もある」と警告してから、関連する書き込みが削除されるようになった。

【偽ニュースを広めるのはどんな人?】
大きく分けて三つのタイプがある。

(1)相手に勝ちたい
 選挙など政治的な目的や競争心などのために、自分に有利で相手に不利な情報を捏造したり、わざと拡散させたりするタイプ。

(2)楽しみたい
 いたずら心からわざとウソを流す「愉快犯」のほか、親切心や、興味をひくために、内容をよく読まずに広めてしまう人も含まれる。いちばん多いタイプ。

(3)金もうけしたい
 広告が掲載されているネットのサイトは、ページを開く人が多いほど広告収入が増えるしくみになっている。刺激的な偽ニュースを捏造して読者を増やし、収入を得ようとするタイプ。

■ウソでも「リア充」をアピールしたい!?
<リア充アピール代行サービス>
 偽の友達や彼氏・彼女の派遣を依頼して、一緒に楽しく過ごしている写真を撮り、フェイスブックに投稿する人がいるという。目的は「いいね」をたくさんもらうこと。支えるのは「リア充アピール代行サービス」だ。代行スタッフが写真映えするようにきめ細かくサポート。「リア充」をウソでアピールできるのも、ネット社会ならではだね。

※月刊ジュニアエラ 2017年12月号より

ジュニアエラ 2017年 12 月号 [雑誌]

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AERA dot.編集部
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