歯周病は再発しやすい病気なので、「メインテナンス(定期健診)」を一生続ける必要がある(※写真はイメージ)
歯周病は再発しやすい病気なので、「メインテナンス(定期健診)」を一生続ける必要がある(※写真はイメージ)

 歯を失う原因は、むし歯だと考えている人は多いでしょう。しかし日本人が歯を抜かなければならなくなる原因のトップは、歯周病です。日本歯周病学会と日本臨床歯周病学会の共著として発刊した書籍『日本人はこうして歯を失っていく 専門医が教える歯周病の怖さと正しい治し方』(朝日新聞出版)から、歯周病ケアのメインテナンスについて紹介します。

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 歯周病の治療では、根気強く歯科医院に通院して良くなっても、「2カ月後にまた来てください」などと言われます。2カ月後の受診を終えると「じゃあ今度は4カ月後に」――。いったいいつまで治療が続くのでしょうか。

 症状が改善したら治療は一段落ですが、それで終わりではありません。歯周病は再発しやすい病気なので、口の中をずっといい状態に維持していくための「メインテナンス(定期健診)」を一生続ける必要があります。

 メインテナンスの主な目的は、(1)再発の早期発見、(2)ブラッシングのチェックと指導、(3)リスクコントロール、(4)定期的なクリーニングの4つです。どのくらいの頻度でメインテナンスするかは、口の中の状態や全身状態などによって変わります。通常は治療で歯周ポケットが2~3ミリになったら2カ月後にメインテナンス、状態が良ければ次は4カ月後、さらに次は6カ月後というように間隔を空けていき、そこからは良い状態が続いていても最低6カ月に一度はメインテナンスに通います。糖尿病の人や喫煙者など歯周病のリスクが高い人は、それよりももっと短い間隔でメインテナンスをすることもあります。

■メインテナンスが必要な根拠

<1>再発の早期発見

 歯周病の原因は口の中に棲んでいる歯周病菌です。歯周病菌をゼロにするのは難しく、プラークがたまってくれば容易に再発します。重症化を防ぐために、定期的な観察で再発をいち早く発見し、治療につなげることが大切です。

<2>ブラッシングのチェック・指導

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リスクコントロールって?