そして、翌4日の中日戦でも、5回に決勝打となる右越えソロ。高卒ルーキーがデビューから2戦連続で本塁打を記録するのは、2リーグ制以降、初の快挙だった。

 明秀学園日立高時代は通算63本塁打。“茨城のカブレラ”の異名をとり、ドラフト5位でDeNAに入団したが、イースタンでは変化球への対応に苦しみ、388打数で182三振。もちろん、ダントツの三振王だ。

 夏ごろから変化球を引きつけて逆方向に打つ特訓を重ね、9月になって、結果が出はじめた。そして、CSへのテストを兼ねて1軍に緊急昇格すると、シーズン最後の2試合で結果を出したばかりでなく、同24日の広島とのCSファイナルステージ第5戦で代打タイムリーを記録するなど、3位からの日本シリーズ出場という下克上にひと役買った。

 2軍の三振王から“ポスト筒香”へ。「いつスーパースターになるかわからないけど、必ずそうなる」とラミレス監督も太鼓判を押している。

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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