ゆりやんレトリィバァ (c)朝日新聞社
ゆりやんレトリィバァ (c)朝日新聞社

 日本テレビ系で放送された『女芸人No.1決定戦 THE W』(12月11日)は、世にも珍しい「女性限定」のお笑いコンテストだった。プロ・アマ問わず、すべての女性が参加することができた。ピン芸人、コンビ、トリオなどの人数制限も一切なし。「女性であること」のみが参加資格として定められていた。

 日本テレビがこの大会を主催した理由は、女性芸人の新しいスターを発掘するためではないかと思う。近年のお笑い界では、女性芸人の活躍が目立っている。

 特に、今年(2017年)はそれが顕著だった。年始からブルゾンちえみが大ブレークして、ドラマやCMにも出演し、『24時間テレビ』ではチャリティマラソンのランナーを務めた。また、尼神インター、ガンバレルーヤ、にゃんこスターのアンゴラ村長など、新たに注目を集めた女性芸人の数も多かった。さらに、2月に行われたピン芸日本一を決める『R-1ぐらんぷり』では、ファイナリスト12人中5人が女性という異例の事態となった。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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