元総理の名も… 「パラダイス文書」が「パナマ文書」と大きく違う点とは? (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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元総理の名も… 「パラダイス文書」が「パナマ文書」と大きく違う点とは?

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奥山俊宏(おくやま・としひろ)/朝日新聞編集委員。1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。2011年、米非営利報道組織「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」のメンバーになる。パナマ文書、パラダイス文書など租税回避地に関する秘密文書の解析と報道に参加。2017年、『秘密解除ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』で司馬遼太郎賞受賞(撮影/写真部・岸本絢)

奥山俊宏(おくやま・としひろ)/朝日新聞編集委員。1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。2011年、米非営利報道組織「ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)」のメンバーになる。パナマ文書、パラダイス文書など租税回避地に関する秘密文書の解析と報道に参加。2017年、『秘密解除ロッキード事件 田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』で司馬遼太郎賞受賞(撮影/写真部・岸本絢)

 米トランプ政権のウィルバー・ロス商務長官の会社の記録も注目されました。プーチン大統領の娘婿が役員を務め、アメリカ政府の経済制裁の対象が株主になっている「シバー」というエネルギー会社があるのですが、そのシバー社と大きな取引をして利益を得ている海運会社にロス氏やその側近が深く関わっていることが判明しました。この関係はロス氏の商務長官就任後も続いています。 トランプ大統領とロシア政府の関係をめぐっては以前からいくつか重大な疑惑があり検察の捜査が進んでいますが、その文脈にパラダイス文書のこの記録を置いてみると、トランプ大統領がよりにもよってロシアべったりの人材を重要閣僚に起用したことに「なるほど、やはり……」と思わせるものがあります。トランプ大統領はどうしても表に出せない弱みをプーチン大統領に握られ、実質的にロシアの支配下にあるのではないかというストーリーが米国では昨年からささやかれてきていますが、パラダイス文書はそれに説得力を与えています。そんな、およそあってはならない恐ろしいストーリーがほの見えるのです。このストーリーは裏付けられてはいませんし、トランプ氏自身は猛烈に否定しています。 それでも多くのアメリカ人が不安に思っているのは、それを部分的に裏付ける状況証拠がだんだんと積み重なってきているからで、そのうちの大きなパーツの一つがロス商務長官とロシアの関係だと言えると思います。

 ほかにも、日本でもなじみの深いアップルやナイキといった多国籍企業、ロックバンド「U2」のボノ、マドンナといったスターの名前も見つかりました。日本に関しては、住友商事、東京電力、日本郵船、商船三井、東京海上日動火災保険、三井住友海上保険、ソフトバンクといった日本を代表する大企業やその役員の名も。他にも、鳩山由紀夫元総理ら元国会議員3人の記録も見つかっています。こうしたところが必ずしも意図的に税逃れをしているというわけではありませんが、結果的に、何らかの規制を逃れたり、匿名性をまとって実態が見えづらくなったりしているケースがあります。



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