夫の実家、妻の実家と良い関係を保てていますか? (※写真はイメージ)
夫の実家、妻の実家と良い関係を保てていますか? (※写真はイメージ)

 年末年始に夫婦どちらかの実家に帰省するという家庭は多いはず。必ず両方の家に顔を出す、遠くて両方は無理なら1年交代にする、訪問回数のバランスをとるなど、みなさんいろいろ腐心しているようです。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦やカップルの間に起きがちな問題をやさしく紐解く本連載。今回は結婚にまつわる大きなテーマ「双方の実家との関係」について解説します。

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 妻が夫の実家とうまくいかない、と愚痴るケースは嫁・姑問題の王道ですよね。多くのケースで夫は、妻の実家に行っても比較的気楽です。なぜなら、妻の実家はそもそもそんなに密な関係性がないことが多く、親御さんも多くの場合、婿さんを「お客さん」扱いする傾向があるからです。

 かたや妻にとっては、夫の実家との関係は結構大変です。昔と違ってお嫁さんも大事にされますが、そもそも男性は自分の両親との関係が希薄なことが多く、女性である嫁のほうが密にかかわってくれるので両親もどうしても妻との関係が濃くなっていきます。たとえば、夫の親との日頃の連絡も妻が受けることが多いのではないでしょうか。子どもがいればさらにその仲介役は妻になりがちですよね。

 先日もこんな相談を受けました。

<例1 春美さん(仮名・女性)の場合>

 春海さんは、夫の母親が、地元の魚を不定期に大量に送ってくることに辟易としています。フルタイムで共働きをしながら子育てをしているので、日々あわただしく、不在票が入っていても連絡を忘れたりして受け取るのに数日かかることもよくあります。子どもも夫も魚をそんなに食べませんし、日々忙しいので手間のかかる生魚を送り付けられても料理する時間もないので、しばらくは冷蔵庫に入れておきますが、結局捨てることになってしまいます。その上、まだ受け取れてもいないうちに、義母から「もう届いたかしら」と電話がかかってきます。もちろん、電話では丁重にお礼を言いますが、本音はありがた迷惑です。それどころか「送ってあげたのに何でお礼の電話もよこさないのよ」と非難されているようにしか思えません。

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西澤寿樹

西澤寿樹

西澤寿樹(にしざわ・としき)/1964年、長野県生まれ。臨床心理士、カウンセラー。女性と夫婦のためのカウンセリングルーム「@はあと・くりにっく」(東京・渋谷)で多くのカップルから相談を受ける。経営者、医療関係者、アーティスト等のクライアントを多く抱える。 慶應義塾大学経営管理研究科修士課程修了、青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。戦略コンサルティング会社、証券会社勤務を経て現職

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「こんな嫁とは離婚しなさい」と夫に迫る義母