「講演先の京都から小田原に移動するとき、ワイドショーが追いかけてきたの。だから途中の駅で新幹線が発車する直前に飛び降りて、そこから別の新幹線に乗り換えたこともあったわよ」

 当時は野村邸の前にも報道陣が詰めかけて、

「背格好の似たお手伝いさんに赤い服を着せて、玄関前からハイヤーに乗せると、テレビの人たちが、私だと勘違いして追いかけていくんですよ。そのあとで外出したこともあったわ」

 と影武者を使ったことまで明かしてくれた。いくらバッシングを受けてもほぼ沈黙を守ってきたが、今は遠慮なく怒りを口にする。

「(浅香さんが)『傲慢だ』とか、『稽古に遅れた』とか『来なかった』とか言うけど、だったらそのときに、『あんたなんかと一緒にやらない』って言えばいいじゃない。十勝花子なんて、選挙のときに、『頑張ってください。キャーッ』って写真撮影をして、帰っていっただけなのよ」

 復活のシナリオも着々と進んでいる。今年1月には写真集を発売。最近では、単発ながらもテレビ出演が増え、来年にはフォトエッセー集の発売の計画もあるという。

 歯に衣着せぬ物言いも相変わらずだ。デヴィ夫人と酒井政利さんとの論争が話題になっているが、

「二人がやりあった日本テレビのワイドショーの視聴率が、たった8%だったそうじゃない。局の人が『やっぱり視聴率は野村さんじゃないと取れません』って言うから笑ったわよ」

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 当時、沙知代さんと対決した記者によると「取材は本当に大変だった。訴訟も起こされましたしね。でも、沙知代さんのような方が亡くなると、寂しくなりますね」。

 浮き沈みの激しかった沙知代さんの人生、これからは安らかにお過ごしください。かつての“天敵”からではありますが、心よりご冥福をお祈りします。