家に一人でいると、「所詮、自分のようなやつが夢を追うなんて無理だったのか……」という言葉が私の脳裏をよぎりました。しかしその一方で、「まだやれる」「諦めてばかりだった自分を乗り越えるんだ」という声も、自分の中から聞こえてきました。

■地道な努力が実を結ぶ瞬間

 再び奮起した私は、さまざまなビジネスに取り組みました。せどり、輸入ビジネス、コピーライター業、アフィリエイト、そしてブログやメルマガによる情報発信など、大きな資金をかけなくてもできるスモールビジネスに挑戦していったのです。

 とくにブログやメルマガに関しては、すでに投資のノウハウが蓄積されていたので、有益な情報を発信できると思っていました。コンテンツを発信する内容も大事ですが、それを届ける為の工夫・ノウハウも重要だと思ったので、ただ我流で行うのではなく、マーケティングについて学びながら、実践していきました。

 学んだことを活かしながらコツコツと地道な活動を続けていると、少しずつコミュニティーも形成されていきました。ただ、「このままで本当に大丈夫なのか」という不安がつねにあったのも事実です。「果たして自分のやっていることが花咲く日は来るのか」、と。

 そんなある日、奇跡が起こります。当時手がけていたEラーニング教材を、影響力のある人がネットで紹介してくれたのです。すると、それを見た人が参加してくれて、さらに参加してくれた人の成功体験が拡散して別の人も買ってくれる。そのようなプラスの連鎖が生まれたのです。感謝の声も大量に届き、それが何より嬉しかったです。

 私は、インターネットの拡散力と口コミの強さを知ることになります。わずか1年ほどでコミュニティーは3000人規模に拡大。驚異的なスピードでビジネスが成長していったのです。

 これには運もあったと思います。また、インターネットを使ったビジネスが急速に裾野を広げていたという背景もあるでしょう。しかし今にしてみると、「自分に足りない知識を素直に学ぶこと」、そして「他の人の力を味方につけること」、この二つが良い結果につながったのだと思います。

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