翌年『エリクトリック・レディランド』を完成させたあと、ジミは、大きな編成のユニットを組んでレコーディング中心の活動を行ない、ライヴは映像作品として発表するという、画期的なプランを描いていたそうだ。半世紀前に完成した『アクシス : ボールド・アズ・ラヴ』は、その長期的ヴィジョンの第一歩となるものだったのかもしれない。(音楽ライター・大友博)

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大友博

大友博

大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など。dot.内の「Music Street」で現在「ディラン名盤20選」を連載中

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