■吉見祐治


 日本に話を戻すと、すでに現役から退いているが、吉見祐治の打撃能力の高さは惜しまれるものがあった。東北福祉大から横浜入りし、1年目の2001年に打率.667(3打数2安打)1打点、翌02年は打率.238(63打数15安打)6打点、03年には打率.296(27打数8安打)5打点と、少ない打席の中で鋭いスイングを披露。本塁打こそなかったが、プロ通算219打数50安打の打率.228、23打点と、“打てる投手”の代表格である桑田を上回る打率を残した。投手としては44勝62敗、防御率4.84と期待に応え切れない部分もあったが、もし“二刀流”に挑戦していれば評価も変わっていたかも知れない。

■秋山拓巳
 現役選手では、今季飛躍を遂げた秋山拓巳のバットに期待が持てる。愛媛・西条高で1年秋から4番に座り、高校通算48本塁打をマーク。「伊予のゴジラ」の異名も取った。プロ入り後、1年目に4勝を挙げながら2年目以降に不振が続いた際に野手転向も勧められていたというが、8年目の今季に12勝を挙げて再ブレイク。今季は48打数8安打の打率.167で、8月の中日戦ではプロ初本塁打を放った。数字的には物足りないが、188センチ、97キロという恵まれた体躯には“二刀流”の才が間違いなく搭載されている。