「日テレでも安室の引退に関する番組が放送されましたが、NHK特番への出演は、これまでの活動で世話になったNHKに対する“恩返し”という見方もできます。『紅白』は生放送ですし、MCなしで突然、歌を始める訳にはいかない。派手な演出が入る紅白は難しいでしょうが、特番なら編集できますからね。さんざんプライベートを話題にされてきた彼女は、歌手活動以外の面で注目を受けたくないというのが本音でしょう。以前から、プライベートに関する話題やゴシップを掲載した記事に関しては、事務所側からかなり抗議が入っていました」(同)

 そんな安室が、言葉を発する貴重な機会となる本放送。視聴者からの期待も高まっている。一方で、やはり彼女の引退を惜しむ声は少なくない。だが、一部の業界関係者からは「復活もあり得る」と言う声も聞こえてくる。

「引退発表後に出したベストアルバム『Finally』は発売2週間で140万枚以上売れました。しかし、今回のベストアルバムは権利の関係もあった過去の作品の多くが、『歌い直し』になっているんです。ただ、一般の視聴者には普通に聞いていてもわからないほどで、その声色は10代の頃とも遜色がない。彼女の相変わらずの歌唱力には誰もが脱帽し、業界内でもあらためて引退を惜しむ声があがっています。権利関係がクリアになったら、また復活してほしいですね」(音楽レーベルスタッフ)

 今回の引退については、安室と事務所側の権利面でのこじれに端を発しているという報道もあった。前出の音楽誌編集者も「1度、引退して充電した後、権利関係が穏便に解決したらまた復帰する可能性はある」と予測する。

 早くも“アムロス”なる言葉まで流布しているが、今回のNHK特番では、彼女の歌以外の部分に触れられる貴重な機会となる。日本のエンタメ界においても歴史的な価値のある番組になることに違いない。(ライター・今市新之助)