謝罪会見で頭を下げるタカタの高田重久会長兼社長(中央)ら (c)朝日新聞社
謝罪会見で頭を下げるタカタの高田重久会長兼社長(中央)ら (c)朝日新聞社
タカタの再生債権の認否状況 (作成/東京商工リサーチ)東京商工リサーチのホームページhttp://www.tsr-net.co.jp/
タカタの再生債権の認否状況 (作成/東京商工リサーチ)
東京商工リサーチのホームページhttp://www.tsr-net.co.jp/

 11月21日、エアバッグ大手のタカタ(東京都)は中国資本傘下の自動車部品メーカーKey Safety Systems, Inc.(アメリカ、以下KSS)と事業譲渡に関して最終合意に至ったと発表した。譲渡価格は1750億円(15億8800万ドル)。タカタは譲渡により得た資金で、民事再生手続きの再生債権などを弁済する方針だ。東京商工リサーチが今後を調査した。

【図表】タカタの再生債権の状況はこちら

 タカタとKSSは事業譲渡に関して6月に基本合意していた。最終合意により、相安定化硝酸アンモニウムを使用したエアバッグインフレーターの製造・販売に関する一部資産と事業を除いて、全てKSSへ譲渡されることが決まった。タカタは今後、グループを再編した上で譲渡対象ではない事業を当面継続することになる。

事業譲渡は、2018年3月初めまでに実施されるもよう。ただ、タカタ社内からは「自分が譲渡先へ行くのか、残るのか知らされていない」との声が漏れており、今後詳細の詰めが行われるものとみられる。

■届出債権35兆円 最大債務額はトヨタ

 タカタが東京地裁へ提出した再生債権認否書によると、届出債権は35兆8393億円に上り、このうち1兆792億円をタカタは再生債権として認めている。ただ、最終的には東京地裁により判断される。

 届出債権35兆8393億円のうち、国内法人で届出額が最も多かったのはトヨタ自動車(愛知県)の8926億円だった。次いで、日産自動車(神奈川県)の7291億円、本田技研工業(東京都)の4131億円、SUBARU(東京都)の2495億円、マツダ(広島県)の2011億円、三菱自動車工業(東京都)の1502億円と続き、国内の大手車メーカーが並んでいる。

 アメリカ合衆国も963億円を債権として届け出ている。

 タカタが債権認否を行った結果、認めた額の最大はトヨタ自動車の3312億円だった。次いで、本田技研工業の2397億円、マツダの1311億円、アメリカ合衆国の963億円と続く。

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