日馬富士がブチ切れたのは「間欠爆発症」のせい? 精神科医が分析 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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日馬富士がブチ切れたのは「間欠爆発症」のせい? 精神科医が分析

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片田珠美dot.#朝日新聞出版の本#読書
国技館を出る日馬富士(中央)=19日午後0時23分、東京・両国、角野貴之撮影 (c)朝日新聞社

国技館を出る日馬富士(中央)=19日午後0時23分、東京・両国、角野貴之撮影 (c)朝日新聞社

 もちろん、アルコールの影響で「脱抑制」の状態になっていたせいでもあるのだろうが、それにしても爆発が激しすぎるように筆者の目には映る。したがって、「間欠爆発症」と言い切ることはできないにせよ、少なくとも日馬富士の衝動コントロールが未熟であることは指摘しておきたい。

■横綱としての特権意識

 その背景に、横綱としての特権意識があるようにも見える。「自分は横綱で特別な人間だから、少々のことは許される」「普通の人に適用される規則は、自分には適用されない」などと思い込んで暴走したのではないか。

 強い特権意識ゆえに、殴られた相手の痛みや怒りを想像できず、制御不能になってしまった可能性もある。いずれにせよ、横綱という特権的な立場ゆえの傲慢さが、強い特権意識と想像力の欠如の最大の原因のだろう。

 もっとも、これは日馬富士1人の資質に帰すべき問題ではない。というのも、番付がすべての角界において、最高位の横綱が少々暴走しても許容する“空気”が漂っているように見えるからだ。

 その意味では、角界全体が「イネイブラー(支え手)」になっている可能性は高い。アルコール依存症患者の周囲には、飲み続けることを可能にする「イネイブラー」がいて、酒代を与えたり飲酒による不始末の尻ぬぐいをしたりするからこそ、本人が酒をなかなかやめられないことがよくあるが、それと同様に角界にも横綱の暴走を許容する「イネイブラー」が存在するのではないか。

「脱抑制」も、「間欠爆発症」も、傲慢さも、周囲から許容されると、拍車がかかる。力士の不祥事がこれまで繰り返されてきたのも、許容する「イネイブラー」のせいだと考えれば、納得がいく。今回の暴行事件を徹底究明して、暴走を許容しない角界に体質改善することを切に望む。


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