井上真央 (c)朝日新聞社
井上真央 (c)朝日新聞社
ドラマで共演する佐久間由衣 (c)朝日新聞社
ドラマで共演する佐久間由衣 (c)朝日新聞社

 主人公が「スクールカウンセラー」という珍しい設定で、学校ドラマの中でも異彩を放っているのが井上真央(30)主演「明日の約束」(フジテレビ系)だ。いじめや不登校など学校で起こる問題において、児童や生徒の心の問題をケアする心理職専門家がスクールカウンセラーだが、従来とは違った視点で学校と家族の問題に切り込む社会派の意欲作である。ただし視聴率は、残念ながら8.2%だった初回から徐々に下降し、最新の第5話では5.1%と低調だ(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

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 事情通はどう見ているのか。テレビ情報誌の編集者は以下のように指摘する。

「今まで学校や家庭を舞台にしたドラマはいわば定番で、さまざまな角度からアプローチした作品が作られてきました。そんな中、スクールカウンセラーという比較的新しい職種を主人公にし、教師でも親でもない立場から問題提起する社会派の作品です。『ごくせん』(日本テレビ系)で名物教師を演じた仲間由紀恵(38)が、今度は学校を責め立てる側のモンスターペアレントになっているあたりにドラマ制作者の“意気込み“も感じます。派手な作品ではないですが、重たいテーマの中で、徐々に出演者の謎の片鱗が見えてきたり、登場するキャラクターも闇を抱えていて、結構目が離せない。特に“毒親”の描写は戦慄しますね」

 また本作は、ジャニーズのタレントや人気アイドルが出演しているわけではないが、仲間由紀恵、及川光博(48)をはじめ、佐久間由衣(22)といった大河ドラマNHK朝ドラで活躍した面々が脇を固めており、それも見どころの一つとなっている。

「女優・俳優は演技派で固められていて、安心できますね。まず、井上真央は『キッズ・ウォー』シリーズ(TBS系)や、『花より男子』シリーズ(同)、そしてNHK大河ドラマ『花燃ゆ』など、幅広い世代が彼女の演技に親しんできた。そうした良さが本作でも、自然な演技となってうまく作品の世界観を映し出しています。また学校モノなので、若手の俳優を発見できる楽しみもありますね」(前出のテレビ情報誌・編集者)

 派手さはないが、じっくり腰を据えてみてみれば良作という評価も聞こえてくる本作。業界関係者からは、制作枠についてもこんな評価が上がっている。

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