日本のアニソンは今や世界的にも注目を集めているだけに選定は理解できる。

 意外だったのは、昨年まで7年連続で出場していた「AAA」。

 今年は初のドームツアーを成功させるなど上り調子だっただけに、このタイミングでの落選”には違和感も…。

 北島三郎や森進一などベテラン勢の“卒業”が続いている演歌勢では、丘みどりが初出場を決める一方、通算19回の出場実績のある香西かおりが今年は姿を消すこととなった。
 目玉となる大物アーティストに関しては、例年名前があがる井上陽水、松山千春、「B’z」などは今年も出場はない模様。

 松山はこれまでも「紅白」出場には後ろ向きの姿勢を貫いてきたが、今年は飛行機の機内での“神対応”が話題になっただけにNHKサイドとしては何とか引っ張り出したかったのではないか。

 とはいえ、松山は一昨年に「NHKのど自慢」にゲスト出演して「紅白」への出場が期待された際も実現しなかっただけに、辞退は大方の予想どおりだろう。

 残るは安室と桑田佳祐だが、どちらも出演交渉は難航している様子。

 先日の出場歌手発表の記者会見でも、多くの報道陣の問い掛けにNHKの担当者は「交渉中」とだけ明かした。

 本人が音楽番組への生出演に前向きではない安室に関してはかなりハードが高そうだが、その一方で過去を振り返れば、桑田が病気療養から復帰出演した時も、中森明菜が約4年半ぶりに電撃復帰した際も、NHKサイドは本番ギリギリまで「交渉中」という表現に終始していた。

 こうした前例を踏まえると、巷で言われているよりは安室のサプライズ出演の可能性は残されているのかもしれないが、果たして…。(三杉武)

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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