松本幸四郎、栗原小巻が語る今も愛される「黄金の日々」の魅力

連載「大河ドラマ誕生55周年の秘話」

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栗原小巻 (c)朝日新聞社
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栗原小巻 (c)朝日新聞社

 昨年7月、久々に高視聴率(16.65%)を獲得した大河ドラマ「真田丸」に松本幸四郎が出演、呂宋助左衛門を演じたことが話題になった。

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 まだ六代目市川染五郎を名乗っていた1978(昭和53)年、幸四郎は大河第16作目「黄金の日日」で主人公の呂宋を演じたことがあり、38年ぶりに同じ役に扮したことがクローズアップされたのだ。その経緯を、幸四郎は次のように語っている。

 「『真田丸』の脚本を手がけられている三谷幸喜さんが、『黄金の日日』を見て『劇作家になろうと思った』とお会いするたびにおっしゃっていたんです。今回、『真田丸』に呂宋助左衛門役で出てほしいと三谷さんからお話があった時は、『僕の夢ですから』とおっしゃっていた。『黄金の日日』をご覧になっていた学生が、38年経ったいま、大河ドラマを執筆されている。こんなうれしいことってありますか。役者冥利に尽きます」。

 喜びにあふれた幸四郎のコメントを受けて、大の大河ドラマ好きとして知られる三谷幸喜は「黄金の日日」についてこう語っている。

「当時、高校2年生でしたが、その1年はまさに呂宋助左衛門とともに過ごした1年でした。『花神』や『国盗り物語』は、その時代を俯瞰で見る面白さがありましたが、『黄金の日日』はもっと目線を下げて、松本幸四郎(当時・市川染五郎)さんが演じた主人公・呂宋助左衛門の立場から戦国時代を描いていた。それがすごく新鮮だったんです」(『三谷幸喜 創作を語る』、その他)

 確かに「黄金の日日」は「目線を下げた」、チャレンジ精神に溢れたドラマだった。これまでの大河の主人公はそのほとんどが武将であり為政者だったが、本作のそれは下層の平民。そしてテーマは天下統一や立身出世ではなく、「交易」をキーワードにした「経済」だったことが従来の大河とは大きく違っていた。

 制作方法もユニークだった。作家の城山三郎と、プロデューサーの近藤晋、脚本の市川森一の三者が合議で大まかな物語の流れを作りあげ、それを基本路線として城山が小説を、市川が脚本を書き進めるというシステム。これも“原作至上主義”のこれまでの大河とはまったく異なっていたのだ。

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