人には相談しづらい尿漏れの悩み。受診のや手術の基準は? (※写真はイメージ)
人には相談しづらい尿漏れの悩み。受診のや手術の基準は? (※写真はイメージ)

 人には相談しづらい尿漏れの悩み。日頃気になっているあんなことこんなことを、女性医療クリニック・LUNAグループ理事長の関口由紀医師に聞いてみました。Reライフマガジン「ゆとりら秋冬号」からお届けします。

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Q:どのような状態になったら受診を考えるべきでしょうか。

 少し漏れても気になる人がいる一方で、けっこう漏れているのに放っておける人もいて、尿漏れの深刻さは人それぞれです。まず、趣味ができない、外出できないなど、QOLが低下してきたら受診のきっかけと考えましょう。そのほか、1週間に1回漏れるなら、受診がすすめられます。受診する科は、婦人科、泌尿器科、女性外来、女性クリニックなどです。

Q:とくに生活に支障がないので、尿漏れを放置していてもいいでしょうか。

 ゆるんだままの骨盤底筋を放っておくと、骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などが膣から外に下がって出てくる「骨盤臓器脱」が起こるリスクが高くなります。骨盤臓器脱があると、頻尿や残尿感、尿漏れなどの排尿障害や便秘などが起こります。尿漏れに比べて治療もたいへんになります。生活に支障がないといっても、放置せず、最低でも定期的に骨盤底筋トレーニングはおこないましょう。

Q:「排尿日誌」をつけるといいと聞きました。排尿日誌とはどのようなものですか。

 とくに頻尿の改善や膀胱訓練をおこなう場合には、排尿日誌が必要になります。排尿日誌には、(1)トイレに行った時間、(2)尿量(紙コップやペットボトルを半分に切ったものなどを使って、だいたいの尿量を測る)、(3)尿意切迫感の有無、(4)尿漏れの有無、(5)尿意の強さ、(6)水分摂取量(飲んだ物と量)、(7)起床時刻、就寝時刻などを記入します。排尿日誌をつけると、自分の排尿の様子を客観的に見ることができて、それまでわからなかった問題点に気づくことがあります。また、排尿日誌をつけるだけで症状が軽減する人もいるくらいです。

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