プノンペン国際空港でいつも気になってしまうこと <下川裕治のどこへと訊かれて>

連載「どこへと訊かれて」

日本から全日空が就航したプノンペン国際空港。ロビーに日本語が響くようになった
拡大写真

日本から全日空が就航したプノンペン国...

 さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版「世界の空港・駅から」。第39回はカンボジアのプノンペン国際空港から。

【プノンペン国際空港はこちら】

*  *  *
 どうしてこんなに汚れるのだろう……。アジアにはそう考え込んでしまう国がある。僕がしばしば訪ねる国では、カンボジアとバングラデシュがそうだ。森のなかに入ったり、辺境を歩いたりしたわけではないのに、体や衣類が汚れる。
 夕方になり、ふと見ると爪先が黒い。土が入ったのだろうか……と首を傾げる。靴には泥や砂ぼこりがしっかりとついている。ズボンについた筋のような汚れが目立つ。水を浴びたときに、フックにかけたズボンが落ちたのを思い出した。床に残った泥がついたのだろう。

 カンボジアやバングラデシュでは、地方都市や村に滞在することが多い。おそらく舗装率の問題かと思う。地方では宿の周りは土だ。その上を歩く。寺では靴を脱ぎ裸足になる。道はとりあえず舗装されているが、周囲は土や砂の世界だから、それが路上を覆ってしまう。

 乗り物にはエアコンがない。トゥクトゥクとかCNGと呼ばれる三輪タクシーが主流だ。あとはバイクになる。風をもろに受けることになる。気候は暑いから、風は快適だが、体は汚れる。きっと体も汗臭いのに違いない。

続きを読む

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック