「今日の(出場時間の)15分は、悔しい15分になりました。だけど、この15分が自分にとってスタート地点になる。『次はあそこで何ができるか?』。そう捉えたい。今だったらインゴルシュタットの関根(貴大)くんとか、フランクフルトの鎌田(大地)くんとか、若い選手たちも監督が急に代わって、一回使われただけで信頼を失ったりしていくと思う。でも、どうしても日本人選手はそれを繰り返していくんですよね。サッカーが強い国と思われていないので。

 でも、しぶとさが日本人のひとつの良さだと思っているし、自分の良さでもあるので、じわじわと攻めたい。チームは絶対にこのままじゃいかないと思うし、今日も軽いプレーが何回もあったんで。そういう意味では、もっとインテンシティーが高い試合になったときに、やっぱり自分が必要になると思う。その時に自分の頭を整理しておいて、出た時にきっちり仕事ができるようにしたい。

 僕は後から強い選手(=存在感が大きくなる)だと思うので。そういう意味では 徐々に『やっぱりコイツは必要だ』と思われるようになりたい。日本人としては、やり続けることが大事。僕に“一発”で何かできる才能がもともとあれば、もっと早く先に海外へ来ていたはずで。自分の背景を見ても、監督の信頼を一気につかむというより、徐々に監督のスタイルや、チームに浸透しているものを理解して、『自分はこういう時に力を出せばいい』というところを出してきたので。ベンチ外とかになってきたら、ツライところもあると思うんですけど、腐らずにやれば絶対いける」

 その岡崎は、ピュエル体制2戦目となったストーク戦で先発に復帰。4‐2‐3‐1の新布陣でトップ下として躍動した。今回も一歩、31歳のFWは前に進むことに成功した。

 岡崎を支える「思考力」と「洞察力」、「しぶとさ」、そして「ひたむきな努力」――。これこそが、清水エスパルスの入団加入時にFWの8番手だった岡崎を、ブンデスリーガを経由してプレミアリーグまで引き上げた「原動力」にほかならない。(文・田嶋コウスケ)