他方、声優アーティストに関しては、「一般的な知名度を武器にしていないぶん、俳優や女優、アーティストなんかと比べると、マスコミに狙われるから可能性は低い。プライベートが公になりくいという点においては、昔のアイドルのようにタレントとしての"スター性"や"幻想性"を維持しやすく、マネージメントしやすいという側面もある」(同マネジャー)

 そのうえで、声優アーティストにはモデルやアイドルにはないプラスアルファの魅力もあるという。

「声優アーティストの多くは人気アニメ作品の声優を務めたり、時には主題歌も担当したりしていますが、日本のアニメは世界的にも高い評価を受けており、アニメ作品を通じて自身の存在を海外にアピールできる。声優アーティストやアニソン歌手はいわゆる普通のアーティストよりも、アニメ作品との相乗効果が狙えるぶん、海外との相性も良いと思います。国内市場が低迷する中、最近は多くのアーティストが海外公演に力を入れていますが、芸能界でも海外戦略、市場の拡大は優先事項となっているようですからね」(前出のアニメ誌編集者)

 今後も芸能界における声優アーティストの商品価値はますます高まっていきそうだ。(三杉武)

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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