ベルギーでキャリアを重ねる森岡が3年ぶりに代表へ選出 (写真:Getty Images)
ベルギーでキャリアを重ねる森岡が3年ぶりに代表へ選出 (写真:Getty Images)

 日本代表のハリルホジッチ監督は11月10日にブラジル、14日にベルギーと対戦する欧州遠征のメンバー25人を発表した。ベルギーのワースランドベベレンに所属するMF森岡亮太が2014年10月にシンガポールで行われたブラジル戦以来、3年ぶりに招集された。ハリルジャパンとしては初招集となる。

 その試合はJリーグのヴィッセル神戸に在籍していた森岡が欧州移籍を決断する転機になった試合であり、3年を経て再びブラジルと対戦することは因縁めいている部分もある。その時はピッチでほとんど何もできずに終わってしまったという森岡は欧州の地で何を身に付けてきたのだろうか。

 代表発表が前々日に迫った29日のリエージュ戦を取材し、森岡に話を聞いた。

「(大事なのは)結果じゃないですか。決定的なパス、シュートという部分。得点にいかに結びつくシーンを作れるかというところだと思います」

 16-17シーズンにポーランドのシロンスク・ブロツワフで評価を高め、ベベレンに加入した今季。ベルギーリーグで6ゴール、8アシストと結果を残し、今季のベルギーでも最大級のサプライズとして称賛を集める森岡に関して地元記者はインテリジェンスの高さを指摘する。それはJリーグから森岡が随所に見せていた特徴であり、ため息の出るようなラストパスや絶妙な飛び出しからのシュートに表れていた。

 筆者が気になるのはそうした持ち味を異国の地、しかも当たりの強さやプレーの激しさが欧州でも指折りのベルギーで発揮できていることだ。現場で試合を見て分かったのは、激しい試合の中で臆することなく相変わらずの高いインテリジェンスを発揮していること、そしていざ当たられた時の柔軟性だ。

 もともと180センチと日本人MFでは恵まれた上背があり、フィジカル面も弱い方ではなかった。ただ、当時はその優位性に甘んじていたところがあったのかもしれない。3年前、それがいざブラジルとのゲームで相手と対峙した時にはプレッシャーとなって表れたかもしれない。

 日本ではセットプレーの守備で長身選手のマークに付くことも少なくなかったが、ベルギーではペナルティーエリアの外でミドルシュートを狙う選手のマークを担当している。「そうですね(笑)。まあ、強い選手は多いんで」と森岡。試合中に選手が激しく接触し、転倒するプレーなど珍しくない環境でベースの強さを高めるのは当然として、そうした中で自分がどうポジションを工夫し、振る舞えば存在感を示して輝きを放つことができるのかを良く理解してプレーしている様子だ。

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