毎日満員電車に揺られる必要もなくなり、「体がかなり楽になった」と実感を語る二人。働く場所から、一時的に解放されるだけで得られる満足感。それを身をもって知ったからこそ、利用を希望する法人にも自信をもって勧めることができるそうだ。

「今のところは法人契約しか行っていないのですが、場所と時間にとらわれない働き方を推進している某クライアント様の場合、私どものサービスを利用することで残業時間を15~20%くらい減らすことができたといいます。移動時間が減るので、その分の時間を業務に充てられるといったメリットもあるようです」(永塚氏)

 また今後、全国にオフィスが増えれば、遠出や帰省の際にも有効に時間を使って仕事をすることが可能だと永塚氏は語る。

「実家の近くに『NewWork』のようなオフィスができれば、お盆の時期などはお休みの前後含めて1カ月実家で暮らすことだってできます。本来は短い盆休みが終われば渋滞ラッシュに巻き込まれながら、(東京など)都会に戻ってこなければいけないけれど、働ける場所があるなら、戻ってくる必要もなくなりますよね。また、介護のために頻繁に実家に戻らなければならない、パートナーの転勤で(自身の)仕事を辞めざるをえない、なんて方もいる。そういった方々の様々な状況に合わせて働ける場所の選択肢を提供することで、これからの日本の働き方のモデルケースとなるような形を提案していきたいと思っています」(永塚氏)

 今後、政府主導の働き方改革により制度面が整っても、それを実際に運用する際にはいくつかの課題が出てくるはずだ。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方は今後、ますます一般化してくることが予想される。そうした新しい働き方に順応してくれる“柔軟なオフィス”が世の中に増えることは、大きな課題と言えるかもしれない。(取材・文/高柳淳)