日本ハムから1位指名され、野球部員に担がれ祝福される早稲田実の清宮幸太郎 (c)朝日新聞社
日本ハムから1位指名され、野球部員に担がれ祝福される早稲田実の清宮幸太郎 (c)朝日新聞社

 清宮幸太郎に野手では史上最多に並ぶ7球団が競合した今年のプロ野球ドラフト会議。数多くの抽選が行われサプライズもあったが、各球団の指名について的確な補強だったのかを基準に採点を行った。今回はパ・リーグ編をお送りする。

日本ハム:90点
1位 清宮幸太郎(早稲田実・内野手)
2位 西村天裕(NTT東日本・投手)
3位 田中瑛斗(柳ケ浦高・投手)
4位 難波侑平(創志学園・内野手)
5位 北浦竜次(白鴎大足利・投手)
6位 鈴木遼太郎(東北学院大・投手)
7位 宮台康平(東京大・投手)

 7球団競合で清宮を引き当てたことが何よりも大きい。スターが抜けてもまたスターが入るというのは常に目玉選手に向かっている方針の賜物である。主力が多く抜ける可能性があるチームを作り替える象徴と言えるだろう。2位の西村は手薄なリリーフの補強にマッチしており、その他の投手たちも将来性豊かであり、大谷翔平の穴を全体で埋めようという意図が感じられた。

オリックス:85点
1位 田嶋大樹(JR東日本・投手)
2位 鈴木康平(日立製作所・投手)
3位 福田周平(NTT東日本・内野手)
4位 本田仁海(星槎国際湘南・投手)
5位 西村凌(SUBARU・捕手)
6位 西浦颯大(明徳義塾・外野手)
7位 廣澤伸哉(大分商・内野手)
8位 山足達也(Honda鈴鹿・内野手)
育成1位 稲富宏樹(三田松聖・捕手)
育成2位 東晃平(神戸弘陵・投手)
育成3位 比屋根彰人(飛龍・内野手)
育成4位 木須デソウザフェリペ(御殿場西・捕手)

 投手の目玉である田嶋を競合で引き当て、さらに2位でも即戦力として期待できる鈴木を獲得できたことは非常に大きい。ともにスケール、将来性を兼ね備えた投手で、揃ってローテーション入りも期待できる。他の指名も安達了一の体調に不安のあるショート、若手が不足している捕手と外野手にも目が行き届いている印象だ。また、将来性豊かな高校生右腕の本田に向かったことも高く評価できる。

ロッテ:80点
1位 安田尚憲(履正社・内野手)
2位 藤岡裕大(トヨタ自動車・内野手)
3位 山本大貴(三菱自動車岡崎・投手)
4位 菅野剛士(日立製作所・外野手)
5位 渡辺啓太(NTT東日本・投手)
6位 永野将司(Honda・投手)
育成1位 和田康士朗(富山GRNサンダーバーズ・外野手)
育成2位 森遼大朗(都城商・投手)

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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