●鳥居を見ると歴史が見える

 形で言えば、2本の横木(笠木)が地面に刺さる両柱から2本とも突き出しているもの、下の横木だけは柱までのもの、上の横木が反っているものなど少しだけ違いがあるが、「地図で見る鳥居の形」が一番ポピュラーである。この他、独特な形として、横木の上に傘がついているような形の山王鳥居、3つの鳥居を繋いだような三輪鳥居などもある。

 細かなことを言えば、上段の横木が上に反っている鳥居を持つ神社は、神仏混淆の神さまを祀る神社である確率がかなり高い。たとえば、八幡神社(八幡大菩薩)や野神社(熊野権現)、氷川・八坂神社(牛頭天王)などである。また、山王鳥居の傘のような装飾は、延暦寺のたつ比叡山を表しているとも言われている。鳥居はその神社の持つ歴史をも表現しているのである。

●注目の鳥居話をふたつほど

 中でも鳥居で三角形を作ったような、三柱鳥居はとても目を引く形をしているが、日本中探しても、この鳥居が残されている場所はとても少ない。鳥居が神域との境目の印だとするならば、まさにこの鳥居の中が神域中の神域ということになる。これら三柱鳥居のある場所のいくつかは井戸、あるいは水源が囲われている。まさに命の泉というわけであろう。

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