「友人関係」以外で多かった回答は、「生活リズムの乱れ」(35%)、「学業不振」(32%)、「先生との関係」(26%)など。私の取材でも、さまざまな理由が複合的に重なって不登校になっている人のほうが多いです。

 以前、話を聞いた20代半ばの女性は「いじめも受けたが、それだけではない」と言っていました。彼女が語った不登校のきっかけは「弱い人間だと思われたくなかったので誰にも相談できず苦しくなったこと」「勉強が手につかなくなって自分が許せなくなったこと」がきっかけだったそうです。

 彼女の場合は「いじめ」「孤立感」「学業不振」「自己嫌悪」などが複合的に重なりあっての不登校だと言えるでしょう。

 多くの人の不登校理由を「これ」と断定することはできません。一人ひとりの思いをていねいに聞くほかない、というのが答えです。

■Q:学校に行かない人って勉強はどうしてるの?

 不登校経験者のうち85%の人が高校へ進学しています。

 不登校からの高校進学率はこの数年、上がりました。不登校対応の通信制・定時制高校が多くなってきたことなど受け皿が広がってきたことが理由だと考えられています。

 一方、小学校低学年から不登校をした人によれば、新聞、テレビ、マンガ、音楽などから「耳学問」で勉強しているので、さほど生活に支障がないという声も聞きます。

 不登校からの進路は本当にさまざまです。20代半ばで高校へ入る人もいれば、17歳から社会で独り立ちしている人もいます。公務員、会社員、俳優、八百屋さん、看護師、主婦、国連職員……、職種だけでもきりがないほど多種の進路先があります。

 どんな進路であっても、どの人生がよかった、悪かったなんてことは誰にもわかりません。しかし、たしかに言えることは、まわりのペースをあわせなくても大丈夫だということです。「中学3年生の2学期にしか学べない勉強」などないからです。勉強だけならあとからでも学べますし、学校に行ってないからこそ「大事な点」を学んでいることだってあるからです。

■Q:不登校って、いつ終わるの?

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