「地域で学生が来ないのに全国から来てくれるはずがありません。でも、全国から学生を集める東大や早慶と競うつもりもありません。大学にはそれぞれ使命と役割があるのですから。地域の学生を育て地域にお返しする。本学はそういう大きな役割を果たしていきたいし、学生たちもそれに自信を持っています」

 地域の高校から「前国さん」と呼ばれている。これほど強い味方はいない。「ちょっと大変だけど実力がつく大学」というキャッチフレーズを掲げるようになった。

 一方で、「前国さん」をすこしでも参考にしようと、全国から定員割れで悩む大学が視察に訪れる。こうした実績や評判が、学長からの評価ランキング5位につながったようだ。ちょっと前のNHK「プロジェクトX」のテーマになりそうだが、少子化時代の大学のあり方を考える上でモデルケースとなるだろう。