【おすすめ選手・その3】


宮本丈:奈良学園大 遊撃手 181cm 79kg 右投左打

 関西の大学球界ではナンバーワンの評価を受ける強打の内野手。重心を極端に低くしてノーステップに近い独特のスイングだが、無駄な動きがなくミート力の高さには定評がある。コースに逆らわずに広角に強く打つことができ、甘いボールはスタンドまで運ぶパワーもついてきた。チームでは主にショートを守っているが、大学ジャパンではセカンドでも安定したプレーを見せた。北條史也、植田とともに早くから二遊間のレギュラー争いに絡めるだけの実力者である。

【おすすめ選手・その4】
山本拓実:市立西宮 投手 167cm 70kg 右投右打

 小柄だが投手としての総合力は全国でも屈指の本格派右腕。よく鍛えられた下半身主導のフォームで、140キロを超える強いボールを低めに集めることができる。変化球のキレと精度、フィールディングなども高校生離れしており、上背のなさを全く感じさせない。夏前には大阪桐蔭の西谷浩一監督が直々に練習試合を申し込んだことでも評判になった。高校卒の若手投手を活性化させる意味でも獲得を目指したい選手だ。

【おすすめ選手・その5】
桜井周斗:日大三 投手兼外野手 178cm 80kg 左投左打

 投打に高い能力を持つ高校屈指のサウスポー。清宮から5連続三振、安田尚憲(履正社)から3連続三振を奪ったスライダーのキレはプロレベルだが、現時点では外野手の方に将来性の針が振れているように見える。しっかりと体を残してスイングし、左方向にも強い打球を放つことができるのが長所。9月に行われたU-18ワールドカップでも、芯でとらえる技術の高さを見せていた。サウスポー、高校卒の若手外野手が少ない阪神のチーム事情を考えると投手、野手どちらで見ても魅力的な選手である。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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