もし運動で痛みが出た場合、その運動はその人にとって負荷が大きすぎたということです。また痛みは、からだの機能が落ちているサインでもあります。痛むからといって運動自体をやめてしまうのでなく、量を減らし、ひざや腰などの弱点に負荷がかかりすぎないように運動を続けるといいでしょう。

 運動で自分の体力や予備能、日常生活の一つ上のレベルでのからだの状態を知ることができます。「いまこの運動ができるなら、20年後も寝たきりにならず動けるだろう」という、ある程度の未来予測が可能です。運動を活用して、自分のからだの機能を高める意識をもってもらえたらと思います。

監修/金岡恒治医師(早稲田大学スポーツ科学学術院教授・整形外科医)

(文/石川美香子)

※週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」から抜粋