契約から入居までの流れ。荷物の整理は思っている以上に時間がかかるので注意(イラスト/市川彰子)
契約から入居までの流れ。荷物の整理は思っている以上に時間がかかるので注意(イラスト/市川彰子)

 高齢者ホームへの入居は老後の人生を左右する大きな決断だ。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、きちんと準備しておこう。発売中の週刊朝日ムック「高齢者ホーム 2018」では、ホーム入居の契約前にやるべきことなどをまとめた。

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 施設への入居を考え始めた人のなかには、どこから手をつけ、どう進めていけばいいのかわからないという人も少なくない。

 まず必要なのは、資産や収入を確認し、資金計画を立てること。そのうえで施設の情報収集を始めよう。情報収集では、自分に合ったタイプの施設のホームページを調べ、パンフレットを取り寄せ、ある程度絞り込む。紹介所へ行ってみるのも手だ。

■しっかり情報を収集し納得のいく選択を

 ホームの状況を知るうえで大いに役に立つのが、「重要事項説明書」。書式は自治体やホームによって少し違いはあるものの、記載内容はほぼ同じだ。項目が多く、文字も細かいためすべての内容に目を通すのは大変だが、パンフレットに載っていないことや見学ではわからないことも盛り込まれている。直接ホームから取り寄せることもできるし、有料老人ホームの場合は都道府県のホームページなどで見ることができる。

 気になった施設は必ず見学に行くこと。できればさまざまな時間帯、晴れの日だけでなく雨の日にも足を運び、住環境をチェック。豪華な建物や設備に目を奪われがちだが、宿泊体験などで入居者に話を聞いたり、食事をしたりすることで、雰囲気やスタッフの様子をある程度感じとることができる。

 いろいろ準備を重ねても、いざ契約となると不安になるもの。わからないことはそのままにせず、納得のいくまで徹底的に確認してほしい。

 ホーム選びと並行して、身のまわりの整理も進めよう。ホームは居室の広さが限られているため、家財などをかなり処分する必要がある。処分や子どもへの譲渡は、自分自身で判断できる、元気なうちに済ませておくと安心だ。

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