すでに書いたとおり、「ヘイ・ジョー」はシングルとして録音されたもので、イギリスでのB面は「ストーン・フリー」。どちらも翌67年春英国発売のファースト・アルバム『アー・ユー・エクスペリエンスト』には収められていないのだが、これもまた当時としては珍しくなかったこととして、アメリカではヒット曲中心の編集が行なわれ、ジャケットも変更されるなど、状況がかなり異なっていた。「ヘイ・ジョー」のアメリカ盤シングルは同年5月に発売されていて、B面は「51stアニヴァーサリー」。まるで今のこの時期とぴったり符合するような曲だった。(音楽ライター・大友博)

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大友博

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大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など。dot.内の「Music Street」で現在「ディラン名盤20選」を連載中

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