【おすすめ選手・その3】


田浦文丸:秀岳館 投手 170cm 75kg 左投左打

 U-18ベースボールワールドカップの好投で評価を上げた高校生サウスポー。上背はないものの高い位置から腕を振ることができ、ボールの角度は申し分ない。そして、最大の武器はブレーキ抜群のチェンジアップだ。一度浮いてから揺れるように沈み、打者はタイミングをとるのが難しい。好調時は145キロ前後のスピードもあり、パワーのある外国人打者にもその緩急が通用していた。高卒ながらもリリーフならば早くから戦力になる可能性が高く、若手のサウスポーが不足しているだけに狙いたい選手だ。

【おすすめ選手・その4】
松本直樹:西濃運輸 捕手 177cm 85kg 右投右打

 伊藤光が伸び悩み、今後が期待できる捕手が若月だけという現状を考えると、捕手も補強ポイントである。その第一候補として推したいのが松本だ。スローイングだけならプロでも上位に入るレベルで、捕球してから投げるまでの動作の速さは名人芸である。立教大時代はリーグ戦で通算20打数0安打と課題だった打撃も社会人になって確実にレベルアップしており、昨年の都市対抗では一発も放った。1年目から一軍の戦力として期待できるだろう。

【おすすめ選手・その5】
北川利生:日本通運 三塁手兼外野手 178cm 85kg 右投右打

 力のある日本人の右打者が中島宏之、小谷野栄一のベテランふたりくらいしか見当たらないため、獲得をおすすめしたいのが北川だ。創価大時代からその打力には定評があり、社会人でも入社直後から不動の4番を任されている。パワーヒッターでありながら対応力の高さも持ち味だ。もともとは外野手だが、大学4年時には捕手として田中正義(ソフトバンク)をリードし、現在はサードも守るなど複数ポジションをこなせるのも長所だ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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