たとえば、グループで会話をしているときに、あなたの趣味である歌舞伎の話題になったとします。そこで「まかせて!」と全知識フルスロットルでウンチクを披露するのはちょっと暑苦しい。まずは様子を見ながらほどほどにとどめて、グループ内で誰がその話題に乗れていないのか観察します。その人が頭に「?」と浮かべているトピックが出てきたら、さりげなくフォローする。もしくはタイミングを見て「ちなみに○○さんは歌舞伎より、ミュージカル派ですか? それとも、伝統芸能で言えば、落語とか?」と角度を変えて話を向けてみたりします。

 そのときに出てきた大皿料理(話題)をみんなで楽しめるよう、バランスよく取り分ける役になってみてください。「感じのいい人だな」と、好印象を持ってもらえますし、グループ内に「誰も置いていかない」という雰囲気が生まれ、会話の好循環が続きます。

 では、自分がまったく知らない話題になったときは? 内心、興味ないなあと思ったとしても、大人のマナーとして顔には出しません。「何かおもしろいことを教えてもらえそうだな」と笑顔で耳を傾けましょう。「私は聞いていますよ、輪から外れませんよ」と意思表示をすることで、次の話題に移ったときもスムーズに合流できます。

 仕事でもプライベートの集まりでも、「あの人を呼ぼう」「あの人にメンバーに入ってもらいたいね」という人は、やはり、どんな状況でも誰も置いてけぼりにせず、みんなに気を配れる人。そんな人はどこに行っても愛されますし、新しい出会いを自分で生み出すことができます。そして最終的には、誰よりもその場を何倍も楽しめるのです。