違法残業や過労死が社会問題となっている昨今。日本全体として、今、“働き方”そのものが見直されつつある。その背景にあるのは、終身雇用制度の崩壊であり、年功序列型賃金の終焉だ。もはや、一つの会社で定年まで勤め上げるというモデルは過去のものとなった。求められているのは、個々人が、それぞれの人生を自分で計画することである。

 とくに考えなければならないのは「賃金」についてだ。これからは、自らが描くライフスタイルに合わせて、必要なだけのお金を自分で稼がなければならない。給料だけに頼っていてはキケンである。

 では、どうすればいいのか。『ただのサラリーマンから財布を18個まで増やしたお金のルールチェンジ』を著した北川賢一さんは、「卵を買うのではなく、ニワトリを飼うこと」を勧めている。一体、どういうことだろうか。話を伺った。

■これからは財布を増やす努力が必要

「会社の年齢よりも、人間の年齢のほうが長くなる」と宣言したピーター・ドラッカーの予言は、現実のものとなりました。もはや、ひとつの会社や職業が、人生における資本的な安定をもたらしてくれることは皆無となっています。

 ご存知の通り、かつて、日本を代表すると言われていた大手企業たちは元気がありません。中には、青息吐息で奮闘を続けている企業もあるほどです。「この会社に入れば一生安泰だ」と考えていた人にとって、悲劇としか言いようがありません。

 ただ、嘆いていても仕方がない。これからは、自らの財布は自らで増やすという発想が必要です。会社からの給料もひとつの収入ではありますが、それ以外にも、いくつかの財布をもっておくこと。そうすることで、収入源を確保しておくことが大切です。

 まずはインターネット。インターネットを活用することによって、収入源を増やすことはより容易になりました。このチャンスを活かさないことは、自分の人生に責任をもたないのと同義なのです。

次のページ