中村:「重要事項説明書」に従業員の人数や資格、勤続年数などの一覧があるのでそこを見ればわかります。届け出が義務付けられていますから、都道府県、市区町村にあります。パソコンでダウンロードできるところもありますよ。

太田:パソコンが苦手なら、見学時に直接「ください」って言えばいいんです。知識がなくても理解しやすいようにできていますよ。

濱田:記入内容から、事業者の資質やノウハウがわかります。ところが契約する人にしか見せません、という施設もある。

太田:契約までいったら読むんでしょうけど、そこまでいったら後戻りはなかなかできないですよね。それに、重要事項説明書は契約前には読めないと思い込んでいる方も多いんですよね。早めに読んでおいたほうがいいですよ。

濱田:しっかりと準備をせずに慌てて見学に行く人はそういう失敗をしやすいです。親が退院するけど特養はいっぱいで、どうしようか、あそこに新しい老人ホームができたから見に行ってみよう。で、行ってみると施設は新しいし「安心です、快適です、すぐに入れます」と言われて、ああよかったといって契約しちゃう。これはだいたい失敗するパターンです。

太田:特養は入所まで数年待ちと報道されているから、有料老人ホームや民間の施設もなかなか入れないと思っている人が多いです。

濱田:特養も空いてますもんね。

中村:特養は自分のいる自治体でなくても申し込めるのに、ケアマネさんがそういうことを説明しない。そこが問題だと思います。

濱田:2002年以降にできた特養はほとんど、ある程度お金を持っていないと入れない個室型です。

太田:国民年金だけの人は月5万~6万円で入れるからいいんですけど、厚生年金とか所得がもっとある人は12万~13万円になって、安い有料老人ホームと値段が変わらない。

濱田:医療費を入れたら18万円ぐらいかかるから、入れる人は限られますよね。計算すると240万円ぐらいの年収があるか数千万円を所有していないと、特養にはもう入れなくなっているんです。

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