【おすすめ選手・その3】


前野幹博:ヤマハ 三塁手兼外野手 185cm 83kg 右投左打

 清宮を外した時に3、4位で狙いたいのが同じ左の強打者タイプである前野だ。PL学園に入学直後から長距離砲の素材として評判で、ヤマハに進んだ後も年々パワーアップしてきた。スイングのバランスが良く、左方向へも長打を放つことができるのが魅力。レベルの高い社会人の中でもその長打力は際立っている。強打者タイプでありながら脚力も備えており、サードと外野を守れるのも特長だ。課題である確実性がアップすれば、プロでも中軸を打てるだけのポテンシャルを秘めている。

【おすすめ選手・その4】
島田海吏:上武大 外野手 175cm 72kg 右投左打

 大学球界でも屈指の脚力を誇るスピードスター。自分の武器がスピードだということをよく理解しており、常に足を緩めることなく次の塁を積極的に狙う姿勢は素晴らしい。課題はよく形の変わるバッティング。今年は少し当てにいくようなスイングが目立った。それでもミート力は決して低くなく、足でヒットを稼げるところも大きい。福田秀平、城所龍磨といったバックアップ要員の後継者としては最適な選手である。

【おすすめ選手・その5】
ケムナ・ブラッド・誠:日本文理大 投手 192cm 91kg 右投右打

 高校時代は無名の存在だったが、大学進学後に一気にスピードアップを果たした大型本格派右腕。大学では珍しく複数投手の継投で勝つパターンのチームにおいて、短いイニングを球威で圧倒するピッチングが持ち味。フォームのバランスに安定感がなく、リリースにばらつきはあるものの、しっかり抑え込んだ時のストレートの威力は目を見張るものがある。リリーフの層を厚くするためにも獲得を目指したい投手だ。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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