■小池モンスターを潰すきっかけはフリージャーナリスト

 28日の民進党合流決定直後から、小池氏は、全ての民進党候補を受け入れるわけではなく、安保政策などによってふるいにかけるという方針を示し始めた。とりわけ、大きな影響を与えたのが、翌29日の記者会見における「排除」発言だ。これを機に、小池人気は一気にしぼんでいく。これが、今回の選挙戦での大きな転換点になったことは衆目の一致するところだろう。

 この発言が大々的に報道されて、小池氏の傲慢な政治姿勢が鮮明になったことと、これまでささやかれていた極めて右翼的な思想の持ち主だということがクローズアップされたことで、ハト派の一般市民が小池氏からどんどん離れ始めた。小池氏が相当なタカ派であるという重要な事実を実は、これまで大手メディアはあえて大きく報道していなかった。これは、伝えるべきことを伝えない「消極的フェイクニュース」と言っても良いだろう。

 東京都庁の記者クラブもまた、他の記者クラブと同じで権力者に迎合する傾向が強い。特に、小池知事になってからは、女王様にひれ伏すように、厳しい質問もできない。さらに、小池氏も嫌な質問をする記者は当てないという対応をしていて、菅官房長官の会見よりたちが悪いという話も聞こえていた。

 そんな中で、小池氏の「排除発言」を引き出したのが、週刊朝日にもよく登場するフリージャーナリストの横田一記者だ。いつも歯に衣着せぬ質問をするので、しばらく小池氏に当ててもらえなかったのに、あの日はたまたま当てられた。

 その機会を逃さず、横田氏は都知事会見でしつこく「排除」問題を聞いた。小池知事が、最初の質問に、都知事会見で政党の問題を答えるのは適切ではないとかわそうとしたのに対して、しつこく2回質問して食い下がり、今は知事としてだから答えないと言わせている。

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