息子3人は男子校の灘中に、長女は共学の洛南中に入学した。2017年度入試の東大理IIIの合格者数をみると、灘は19人と断トツ、洛南も佐藤さんの長女を含め3人が合格した。

■娘の髪を乾かす間英単語の学習

 受験勉強で、男子と女子の違いはあったのだろうか。

「基本的には、それぞれの子どもの意向や性格に合わせて、勉強のサポート方法を変えました。息子たちが鉄緑会に入ったのは高1か中3からですが、兄たちと比べると体力がない娘は中1から。男の子は受験直前の猛勉強で学力が伸びることがわかっていたから、男子に負けないよう、早めに通わせました」

 3人の息子たちは、入浴後に5分ぐらいで髪を乾かしていたが、長女は入浴に40分、髪を乾かすのにも40分かけていたという。

「娘はのんびりした性格で、何でも丁寧にやります。女の子だから、髪を洗ったり、乾かしたりするのに時間をかけたい気持ちはわかるから、私が娘の髪を乾かすことにしました。その時間に娘は英単語や古文単語などを覚えられますから」

 センター試験の地歴公民対策を始めたのは高3の12月1日から。長男と次男は現代社会で受験したが、その後、その科目では東大を受験できなくなったため、三男は世界史で受験。楽しく勉強できたうえ、資料が大量にあったため、長女も世界史で受験することにした。

「人名や芸術作品などは写真を調べました。記憶に残りますからね。『イギリスの詩人・バイロンはイケメン』などと、顔写真を見ながら、女同士の会話も楽しみました。笑顔で勉強できることは大切ですね」

(文/庄村敦子)

※週刊朝日ムック『医学部に入る 2018』から抜粋