【セ・リーグ打者部門】


松山竜平(広島)

 最後まで激しい首位打者争いが続いているセ・リーグ打者部門だが、9月に限って見ると2人の4割打者が誕生している。1人目がプロ9年目の上本博紀(阪神)で62打数27安打の打率.435、2人目がプロ10年目の松山竜平(広島)で68打数29安打の打率.426。ともに脇役と呼べる存在だったが、9月は絶好調で主役の働きを見せた。

 8月まで2割5分台だった上本は9月3日、5日と2試合連続アーチを放つと、12日、13日には2試合連続猛打賞を記録するなど、チームの2位確定に貢献した。30日の巨人戦(東京ドーム)で頭部に死球を受けたが、軽い打撲で10月の残り2試合も継続して出場できる見込みだ。

 一方の松山は、8月末に骨折で離脱した鈴木誠也の代役として4番に座ってリーグ連覇に貢献。これまで右投手限定だった男が、今季は9月終了時点で対左投手の打率.388(80打数31安打)と克服。9月は上本と同じく3日と5日に2試合連続本塁打を放つと、9日、10日は2試合で計7安打1本塁打6打点の大暴れ。32歳の誕生日だった18日の阪神戦(甲子園)でも貴重な先制タイムリーを放ってリーグ優勝決定の勝利に貢献した。

 両者を比べると、打率では上本が上回っているが、本塁打と打点では松山が5本塁打&23打点でともに月間リーグトップ(上本は2本塁打、6打点)。他の候補と比べても松山の成績が飛び抜けており、32歳、プロ10年目での月間MVP初受賞が濃厚だ。