広島・松山竜平(c)朝日新聞社
広島・松山竜平(c)朝日新聞社

 歓喜に揺れた胴上げの9月。セ・パ両リーグで優勝チームが決まったが、選手個々に見るとまた違った順位評価となる。シーズン最終盤で輝いた選手は誰なのか? 9・10月のセ・リーグ月間MVPを9月終了時点で予想したい。

【セ・リーグ投手部門】
菅野智之(巨人

 文句なしだろう。9月は5試合に先発して4勝0敗、防御率0.47。菅野智之(巨人)が貫録のラストスパートを決め、最多勝&最優秀防御率の2冠を不動のものにした。同時に年間3度目の月間MVP受賞が濃厚だ。

 今季、すでに3試合連続完封を飾った5月(5試合3勝2敗、防御率2.68)、28イニング連続無失点を記録した7月(4試合4勝0敗、防御率0.31)と2度の月間MVPを受賞しているが、9月も抜群の安定感を披露。1日のDeNA戦(横浜)で7回6安打無失点の好投で今季14勝目を挙げると、8日のヤクルト戦(東京ドーム)では9回6安打1失点(自責点0)で完投勝利。さらに20日の阪神戦(甲子園)では9回2安打無失点。自身が「完璧に近い」と振り返った圧巻のパフォーマンスで今季4度目の完封勝利をマークしてみせた。

 さらに26日のヤクルト戦(東京ドーム)でも6回2安打無失点の危なげないピッチングで今季17勝目。唯一、白星を逃した14日の阪神戦(甲子園)でも7回6安打2失点と及第点以上の投球をしており、9月の5試合で計38イニングを投げて被安打22で3失点(自責2)。被打率.171で、1.00を切ることすら難しいWHIP(1イニングあたり何人の走者を出したか)は驚異の0.71。まさしく“完璧に近い”9月だった。

 他では、ウィーランド(DeNA)が4試合で3勝0敗、防御率1.00、薮田和樹(広島)も4試合で3勝0敗、防御率1.88。九里亜蓮(広島)は救援で7試合に登板して3勝2ホールド、防御率0.87。抑え組では、中崎翔太(広島)が13試合で1勝1ホールド8セーブ、防御率1.38、山崎康晃(DeNA)が11試合で3ホールド5セーブ、防御率0.82の好成績を残したが、やはり菅野の数字が傑出している。

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