鈴木:動画を見せてもらったんだけど、何が面白いのかがよくわからない。それで慶応大の学生に動画を見せた。すると、クスクス笑ってる。理由を聞いたら「仲間が、自分の代わりに面白いことをやってくれている感じがいい」と。そう言われて自分も見てみると、だんだん感情移入してきて(笑)。一方で編集技術がすごくて、カメラワークもいい。

HI:編集には10時間以上かかるものもあるそうです。

鈴木:だから、芸人さんが本気になれば人気のYouTuberになれると思ったら大間違い。YouTuberって、自分で映像編集をやる。番組に出演しながら、テレビでいう「ディレクター」もやっている。テレビの世界ではいまだにYouTuberのことをバカにする人がいるけど、僕は「面白いディレクター」を見る感じで映像を見てるんですよ。

HI:たしかにその通りですね。

鈴木:テレビって、1990年代ぐらいからより編集が重視されるようになった気がするんです。番組の面白い言葉に字幕スーパーを入れるようになった。YouTuberも編集に個性があって面白い。せっかちな人とか、暗い人とか、性格が出ますよね。HIKAKINさんは編集技術をどうやって磨いたんですか?

HI:あんまり言ったことないんですけど、実は僕、日本で初めてリアクションの効果音を入れたYouTuberなんです。ポイントの部分で「イェーイ!」とか。

鈴木:そうなんですか!

HI:ちゃんと確かめたわけではないので、自称ですけど(笑)。ドイツ人のYouTuberが、家族内の人間模様を一人4役で演じて動画に笑い声を入れてたんです。それで僕も試しに入れてみた。すると、コメント欄で「笑い声ウケるんだけどwww」みたいに書かれてて、評判がよかった。編集は、そうやって面白そうな動画を見ながら学んでいるという感じですね。

鈴木:HIKAKINさんは生まれはどこなんですか?

HI:新潟県の妙高市です。ひたすら雪が降る街です。

鈴木:妙高では何をやってたんですか?

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