ラグビー日本代表は2年後の自国開催ワールドカップで再び世界を驚かせるか(写真・Getty images)
ラグビー日本代表は2年後の自国開催ワールドカップで再び世界を驚かせるか(写真・Getty images)

 4年に1度のワールドカップ、自国大会を2年後の2019年に控えたラグビー日本代表は11月、オーストラリア代表、フランス代表など「ティア1」と呼ばれる伝統的な強豪国のチームと対戦する。日本代表は「ティア1」に準ずる「ティア2」に位置するなか、メンバーの絞り込みなど本番に向けたチーム作りに着手してゆくだろう。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチのもと、新たな物語を紡いでいる。

 2015年のワールドカップイングランド大会では、大会24年ぶりの勝利を優勝2回の南アフリカ代表から挙げるなど、予選プール計3勝をマーク。当時の主力だった五郎丸歩のゴールキックのフォームが話題となるなど、一般層にもブームが巻き起こった。

 もっともそれ以降は、強烈な追い風を活かしきらずに来た感がある。

 2016年2月からは、国際リーグのスーパーラグビーへ日本のサンウルブズというクラブを加盟させて選手強化をもくろんだものの、開幕前はチーム編成で手いっぱい。代表との本格的な連携は翌年度に持ち越された。

 何より肝心な2016年春の代表活動は、何と2人の代行ヘッドコーチでやりくりすることとなった。驚異的な職務能力の高さと苛烈な人物像で知られるエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチが2015年限りで職を辞すのは、イングランド大会前から決まっていたにもかかわらず、である。

 スーパーラグビーでニュージーランドのハイランダーズを率いていたジョセフが来日したのは、前職の契約が解けた2016年9月からだった。11月のツアーは経験豊富な選手の辞退などもあり1勝3敗。スタッフや選手、戦術をサンウルブズと共有して迎えた2017年6月のツアーでも、2年後のワールドカップで予選プール同組のアイルランド代表に2連敗を喫した。ナショナルチームが勝てば大盛り上がりするライトユーザーへは、なかなか興味を喚起できずにいる。

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