(画像提供:avex)
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 歌手・安室奈美恵が40歳の誕生日となった今月20日、公式ホームページで1年後の引退を表明した。

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 安室といえば、数々の名曲を世に放って来ただけでなく、1990年代には若い女性たちのカリスマ、ファッションアイコンとして「アムラー」現象も巻き起こし、引退が昨日、報じられると、「アムロス」現象が……。

 安室のデビュー当時、学生だった筆者も僭越ながらその登場に大きな衝撃を受けた一人で、1stアルバム『DANCE TRACKS VOL.1』を購入したことを今でも覚えている。

 当時好きだった『Stop the music』をはじめ、日本の女性アーティストがユーロビートをここまでクールに格好良く表現できるのかと、いたく感動したものだ。

 素人目にも、激しいダンスを繰り広げながら、口パクなしに見事な歌唱力を披露するその雄姿は、まさに新時代の"歌姫"と呼ぶにふさわしい無上の輝きを放っていた。

 そして、その輝きが天性の才能だけでなく、類まれなる努力によって放たれていることは、沖縄アクターズスクール時代に自宅からスクールまでの片道約1時間半の道のりを歩いて通っていたなど、当時ファンの間で語られていた下積み時代の数々の逸話からも想像できた。

 そんな安室の今回の引退宣言については、驚きやさみしさとともに一部のメディアが報じる引退理由に違和感を覚えるのも正直なところだ。

 一部では体力の衰えを取り沙汰する報道もあるが、果たしてそうなのだろうか?

 安室といえば、今もなおコンサートでは卓越した歌唱力とダンスパフォーマンスでファンを魅了し続けている。

 とくにMCを挟まないステージ構成はファンの間では広く知られており、今月中旬に行ったデビュー25周年を記念した故郷・沖縄での凱旋野外コンサートでも、MCなしで27曲を歌い上げた。

 安室のプロ意識の高さ、ストイックさは誰もが認めるところだが、そのステージぶりを見る限り、体力の衰えが引退理由とは思えない。

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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