川崎を下してACL準決勝へ進出した浦和(写真:Getty Images)
川崎を下してACL準決勝へ進出した浦和(写真:Getty Images)

 9月13日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝の第2戦が行われ、川崎フロンターレとのJリーグ勢対決を大逆転で制した浦和レッズが、準決勝に進出した。次の相手は、広州恒大との中国対決をPK戦で制した上海上港となり、グループFで激突した両チームの再戦することになった。

 浦和は、J1で成績が振るわず、7月には2012年からチームを率いてきたミハイロ・ペトロヴィッチ監督との契約を解除。現在はコーチから昇格した堀孝史新監督が率いている。

 しかし、ことACLでは上海上港、FCソウル(韓国)、ウェスタン・シドニー(オーストラリア)と難敵ぞろいのグループステージを突破した。5月に行われたラウンド16では韓国の済州ユナイテッドに第1戦で0−2の敗戦を喫したが、ホームの第2戦で3−0と勝利。合計スコア3−2と逆転で準々決勝に進出した。

 そして浦和は川崎とのJリーグ対決となった準々決勝でも第1戦を1-3で落とし、第2戦でも一時は先制点を挙げられて2試合合計で3点差をつけられた。しかし、川崎が退場者を出したことをきっかけに流れをつかんで4得点を奪取。4-1で試合を制し、済州戦をも上回る大逆転で9年ぶりのベスト4進出を果たした。

 準決勝の相手となる上海上港は、ラウンド16で江蘇蘇寧、準々決勝で広州恒大という中国スーパーリーグのライバルを倒して勝ち進んだ。欧州でも知られる智将のアンドレ・ビラスボアスが指揮を執り、フッキやオスカルらブラジル代表クラスの外国人とFW武磊ら中国代表の主力クラスが個人と組織を融合した、中国勢の中でも特筆すべきパスサッカーを展開している。

 その上海上港をグループステージで苦しめたのが浦和。結果も1勝1敗で五分、ホーム&アウェー方式で評価するならアウェーで2点を奪った浦和が上回る。筆者の見解では、タレント力、組織力ともに上海上港が優勢であるが、今季二度対戦している経験から浦和の選手たちも十分に戦える手応えを得ているはず。準決勝でも勝機はあるはずだ。

 また、上海上港は浦和とは対照的だ。準々決勝の第1戦で広州恒大に4−0と大勝しながら、第2戦では4点を返され、延長戦でも1−1で決着が付かず、最後はPK戦を制する形で辛くもベスト4進出を決めた。

 上海上港にとって不安材料となるのが守備の要であるDF王シン超が広州恒大戦で退場処分を受けたこと。このため、第1戦で出場停止となる。さらに対人能力に強いDF汪佳捷も同試合で退場処分を受けて同じく出場停止となり、守備陣は“火の車”だ。

 その一方、中盤から前線にかけては、ウズベキスタン代表のオディル・アフメドフが攻守の要として君臨し、2列目にフッキ、オスカル、武磊が並び、前線にはここまで大会4得点のエウケソンが張る豪華な陣容となる。

次のページ