同じく左のスラッガーである元巨人の松井秀喜氏は、いきなり1年目で11本塁打を放ったが、当時と比べて投手のスピードは上がり、変化球も多彩になっていることを考えると、高卒野手の難易度は大きく上がっていることは間違いない。

 清宮が高校から直接プロ入りした場合、間違いなくプロのレベルに苦しむはずである。しかし、U-18でもチームトップの2本塁打を放ったようにスイングスピードとパワーはそうそういないレベルにあることは確かだ。筒香は現在、全くと言っていいほど反動を使わずに打つスタイルを確立しており、清宮にとっては格好のロールモデルである。あらゆる課題に対応し、少しのことでは崩されない自分のスタイルを身につけた時、リーグを代表する打者になっている可能性は高いだろう。(文・西尾典文)

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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