「造血幹細胞移植は、かつてはHALといわれる白血球の型が一致しないとできませんでしたが、今は半分ほどの一致で移植できるようになりました また、造血幹細胞の一つである臍帯血は、臍帯血バンクに保存してあるものが可能です」

 とはいえ、標準的な治療法である抗がん剤の薬剤自体は、昔とほとんど変わっていないという。新薬の開発もまだ道半ばだ。

「まだ治験の段階で実用化には至っていませんが、腫瘍細胞の遺伝子異常が最近調べられてきているので、この遺伝子異常があるとこういう薬が効くのではという候補は出てきています」

 夏目さんの悲劇が繰り返されぬためにも、画期的な治療法や薬の開発が待たれる。(医療健康編集部)